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SECのルール変更について
Equity Crowdfundingには朗報になりますが、SECが一般投資家のRegCFに対する投資上限の変更と、スタートアップ企業側の公募額上限の増額やその他の変更を行いました。もちろん上げる方向での変更になりますのでクラウドファンディング投資への資金流入の増加が期待されます。さらに資金が流れ込む事により、企業もより早く、より多くファイナンスできる事になり上場へのスピードも加速するのではないかと思われます。さて、ひとつづつ見ていきましょう。
※詳しい計算方法に関してはこのページの投資額上限のタブで例を使って説明しています。
一般投資家の新しい投資額上限
Tier1
年収もしくはNet worthのどちらか、もしくは両方が$107000以下の場合。この場合はどちらか多い方の5%までが上限の投資可能額です。変更点は、今までは”少ない方の5%”でした。
誰でも一年間に$2200までは投資可能ですので、もし年収かNet worthのどちらか多い方の5%が$2200より少なければ上限は$2200となり、多ければ5%の計算結果が上限になります。
Tier2
年収もしくはNet worthの両方が$107000以上の場合。この場合はどちらか多い方の10%までが上限の投資可能額です。変更点はTier1と同じく、今までは”少ない方の10%”でした。これにより、例えば引退した方で年収は年金などで少ないが資金は銀行にたっぷりあるというリッチ退職系の人の投資額が、今まで年金の収入の5%(Tier1に部類していた)に制限されていたのが、銀行資産の10%まで投資できるという事になりますのでかなりの増額になります。
Tier3
Accredited investorの場合ですので、無制限に投資可能です。過去2年の年収が$200000を超えており(配偶者と合わせて$300000を超えている)今年度も同じくらいが期待できる事が条件です。もしくは、Net worthが$1Mを超えている事でも条件が達成できます。(昔は両方満たしているのが条件だったと思うのですが、2019年の1月にどちらかを満たしている事に変わっているのではないかと思います。古いPortalなどでは両方が条件と言っているところもあります。)また、このカテゴリーは他にも条件がありますので下のリンクを見て頂ければと思います。
SECのPress Releaseのリンク(Accredited Investorの定義)
https://www.sec.gov/news/press-release/2020-191
SECのInvestor.govInvestor.govのリンク
https://www.investor.gov/introduction-investing/general-resources/news-alerts/alerts-bulletins/investor-bulletins/updated-3
上限計算上の12か月の期間
たまにこういう公的資料で、大事な部分がわからないので困る時がたまにありますね。上限額は12か月間に投資できる上限というのは理解しましたがいつからいつまでの12か月間かの明記がなく、いろいろ当たってみてもカレンダーイヤーの1/1から計算した12か月か(1/1にゼロにリセット)、ローリングイヤーのその日から12か月遡って計算するのか(上限に達成したら、前年の一番古い投資から一年たった時にその分のみ投資可能だが、投資後また上限に達するので2番目に古い投資日までまた待つ必要がある)解釈ははっきりしないようです。いろんなPortalの解説やセミナーでも話されていますが、基本的にはローリングイヤーで計算しておき、いつどの時点で12か月分を合算しても上限を超えていないように管理する方が安全だと聞いていますし、私もそうしています。過去の投資日と金額を自分で管理する事が非常に重要です。下記はSECの原文の抜粋になります。
Because of the risks involved with this type of investing, however, you are limited in how much
Hindenburg Omen点灯
先週中頃にNASDAQが下げ止まりを見せてじわじわと上がっている展開になっていますが、今回は少し戻りが鈍いような感じがしてそのまま積極的に買って行っていいのかが難しい展開です。米国債が一応下げ止まっているように見えますが反転していないのも原因でしょうか。
先週ヒンデンベルグオーメンのシグナルが3/4に点灯したと巷で聞いたのですが、みなさんはこれをご存じでしょうか?過去に2020年の1/30に点灯し、3/23に36.9%のコロナショックの下落につながった歴史があります。
不吉な響きからも想像できるように、マーケット下落というか暴落が近々起こるかもしれない予兆のサインのようです。このサインは統計的な事実と比較してマーケットの状況が逸脱していると考えられた時を捉えるというイメージだと思いますが、点灯条件が少し複雑でしかも細かい所が色々違ったりするのですが、私が調べた範囲で分かった事を個別に見ていきましょう。
52週高値更新銘柄数と52週安値更新銘柄数の合計がすべての銘柄数の2.8%以上を占めている場合。マーケットインデックスの52週高値が52週低値の2倍を超えていない事。これは絶対条件のようです。上昇トレンドが継続している事。10週移動平均線や、50日ROC(Rate of change)で確認できる事。McClellan Oscillator が負の値であること。
皆さんなんとなくピンと来たでしょうか?この条件を一瞬で理解して、『あーなるほどね』とか言える人は神ですが、私なりに以下のように理解しました。
インデックスは上昇トレンドを示しているが、かなり加熱しているすべての銘柄が上がっているような激しい短期的に起こる上昇トレンドではなく、緩やかに上がっているトレンドである。詳しく内訳を見ると下がり続けている銘柄が多くなっていて、値上がりと値下がり株の差を移動平均で比較しているMcClellan Oscillatorが負を示しているという事は、値下がり銘柄が多い状態である。つまり、銘柄の動きを見ていると下がっているものが多くなってきているがインデックスのみ惰性で上がり続けている状態という事でしょうか?
自分で個別の条件で判断して見つけるには非常に面倒な指標ですし、あまり点灯しないので、忙しい兼業投資家の方々はニュースとかで点灯した事を確認するだけで十分なんじゃないでしょうか。
それでは、具体的にどうするのかという話の方が重要ですね。シグナル点灯後に暴落が一か月後くらいに起こる可能性が高いという事ですので、私なりに対策を考えました。
VIXなどのボラティリティインデックスを毎日モニターする。米国債金利の急上昇なども注意。
買いで入っている銘柄は上がった時にとりあえず逃げてポジション縮小
ヘッジを入れる。ものによって入れ方は様々ですが、暴落するとVIXは上がるのでVIXの指数先物と連動するVXXなどを買っておくか、先物売りか、株か指数のPut買い辺りでしょうか。
さて、戦略が決まったところで暴落を待つことにしましょう。暴落で取っていくのはタイミングが結構難しいですが、4/4くらいからはVIXの動きを逃さずにモニターして乗っていきたいと思います。キャッシュポジションを温存して下げ止まったところで買いに行くのもいいですが、VIXは非常に狭い上がりきったピークの時などに運よく遭遇できれば、VXXのPut買いなどで暴落後の回復時にも取れるので往復取りができるかというのもチャレンジしてみたいですね。とりあえずこのブログを書いている最中に安値更新中のVXXの4月16日と23日のCallを買って往復の往の部分を仕込んでおきました。皆様も来るかもしれない暴落に備えての戦略を立てて腕試しをしてみるのはいかがでしょうか。
投資先のスタートアップの分析 (Deal Checklist)
投資するスタートアップ企業を選別する際は、通常の株式投資と違って開示情報なども少なく、会社の良し悪しを判断するためのデューデリジェンスを行うのが難しい場合が多いです。また、どのステージで投資に参入するのかという事も重要になってきます。この章ではクラウドファンディング投資の際のDeal flowを分析する上で一般的に使用される方法についてDeal checklistとしてまとめてみようと思います。
雑草を抜く財務の健全性マーケットSeries-A,B,CStage毎のシェアの希薄化
Weed out the Losers
Early Stageのスタートアップがどのような資金を必要としているのかという分析から始まり、その会社が参入しようとしているマーケットを理解を深め、将来性のあるクラウドファンディングのDealを見つけるというのは株式ポートフォリオを少しいじるのに比べて、非常に難しいですが、その分成功すればリターンは当然大きくなります。半面、経験のあるエンジェル投資家でも半分のポートフォリオは2,3年以内にやられてしまうと言われている現実があります。
このような事を考えると、最高のDealを見つけるという事はまずは最低のDealをリストから除外するという事が成功の可能性を上げるうえで一番最初にやるべきことであると考えられます。それでは、どのような会社がBad Dealである雑草であり、除外する対象になるのでしょうか。悪いDealによくみられる警告サインについてリストアップしてみましょう。
創業チームの誰もがその業界の十分な経験がないのは危険です。業界がどのように動くのかという現実的な知識に詳しいアドバイザーが初期段階で必要です。
創業チームの誰もが財務の経験がないのも危険です。創業チームにいない場合は実際の数字に詳しいアドバイザーが必要です。
経営陣のマーケットシェア獲得の見積もりが過大な場合は危険です。スタートアップ企業が初年度で10%のマーケットシェアを新たに取るなどとうたっている場合は眉唾ものです。基本的にはうまくいって一桁が現実的な所です。
経営陣の出す工程表が楽観的過ぎたり、現実的でなかったりする場合は危険です。発達段階の会社が、ゼロから始めて2,3年後にIPOなどというのは基本的には非現実的です。
競争相手を過小評価している場合も危険です。たとえどれだけニッチな分野だとしても、必ず競争相手がいます。最新の技術やプロダクトなどで競争相手がいないと言っている経営者は無知か自信過剰です。多くの場合、業界に競争相手がいて負けないよう意識しながら発展していく状況の方が健全な場合が多いです。
競争過密なマーケットにいるスタートアップに投資するのは多くの人が敬遠するかもしれませんが、スタートアップがそういう業界にプロダクトを持っている場合は、何かその会社独自の強さを持っている可能性があり、それが他社をひきつけて買収される事につながる可能性も考えられます。
財務に関しての注意事項
ここでは簡単に経営者の財務に対する姿勢も含めての警告サインを見ていきます。
たとえEarly Stageのスタートアップでも財務報告が全くなく、コストの見積もりや支出の見直しをしていないのは危険です。利益がなくとも、コスト体制や売り上げの見積もりは出していないと危険です3年以上売り上げが出ていない場合は危険です。製薬業界などプロダクトを出すまでに長時間かかる業界は別として2年以内には売り上げが出ている事が望ましいです。
マーケットに関して
スタートアップ企業の創業者はマーケットシェア獲得のために競争するよりもニッチなマーケットを目指す傾向があります。つまり、ターゲットとするマーケットが現実離れしている可能性があります。まずは危険信号から見ていきましょう。
スタートアップがターゲットにしているマーケットのトータルのサイズが$100M以下の場合は成長が期待できないかもしれません。スタートアップが5%のマーケットシェアを取って売り上げが年間$5Mになりますが$200M以上のマーケットをターゲットにしている会社が望ましいです。
各マーケットに対してのコストの見積もりが競争相手と比べて非常に楽観的である場合は、競争相手の上場企業の年次レポートなどを確認して真偽を確かめる必要があります。スタートアップ企業のコスト体制が上場企業よりも効率的なことは稀です。
スタートアップが非常に幅広くいろんなマーケットに参入していたり、相当ニッチな所のみでビジネスをやっているかというどちらか両極端の場合も危険信号です。ある程度のサイズのトータルマーケットは必要ですが、幅広すぎるマーケットではスタートアップはそれぞれの競争相手と戦い続けることはできませんし、ニッチすぎる場合はマーケットの伸びが期待できないことになります。
次にマーケットリサーチをする上で重要になってくることは何でしょうか。スタートアップ企業に投資する際は、自分もビジネスパーソンの一人になり、シビアにスタートアップ企業がそのマーケットで戦っていけるのかを判断できるようになる必要があります。どのようにマーケットを見ていけばいいのでしょうか。
マーケットサイズと毎年のマーケットサイズ伸び率
そのマーケットでスタートアップ企業と競合他社がどれほどの売り上げを上げているのか
マーケットの状態(独占か共存か)
マーケットが地元限定かそれとも広いエリアもしくはグローバルか
企業がどのようにマーケットを取りに行っているか(低価格路線、プロダクトの品質、競争力の高いセグメント)
企業がどのような宣伝や広告を行っているのか
新しい競合他社がマーケットに参入した時の競合他社の反応方法はどうか(価格競争、もしくは違う方法)
プロダクトが季節ものなのか通年同じように売れるのか
プロダクトのセールスサイクルはどれくらいなのか。(材料購入から出荷まで)セールスサイクルが長くなると売り上げからキャッシュが入ってくるまでの時間が長くなるので会社を維持するための資金がその分多く必要になります。
ここ10年でマーケットはどのように変化したか、また次の10年でどうなるのか
最初のステップはマーケットサイズの把握です。例えばアメリカでの車とトラックの総売り上げ台数は19M台で、金額は$61Bです。幾多もの会社がこのマーケットでひしめき合っています。このようにスタートアップ企業が参入している全体のマーケットサイズを理解するのが最初のステップになります。
次にトータルのマーケットが毎年どれほど伸びているのかと、どれほどの売り上げを競争相手が上げているのかを見る必要があります。また、経営陣がうたっている売り上げ目標は単純にマーケットサイズで割ると必要なマーケットシェアになるので、それが現実的に可能かの判断ができます。
マーケットが2,3個の大きな競合他社に独占されている場合は彼らはシェアを強固にするために値下げや広告を打って立場を強化してくるので手ごわい環境ですが、ばらばらの競合他社によって共存されているマーケットでは、マーケットシェアを増やす事は難しくはない分、新規参入企業にシェアを奪われる危険も伴います。
スタートアップ企業は伸び続けなくてはいけませんので、マーケットが広いエリアもしくはグローバルでなくてはいけません。エンジェル投資家はマーケットが$100Mか$200M以下の企業は投資判断から外すと言われています。もし企業のシェアが2,3%ならば、自分の投資額が10倍になるには一体どれくらいマーケットが大きくならないといけないのかを考えた時に現実的ではないと思えますね。
マーケットには競争の厳しいセグメントがあります。価格競争とクオリティ競争です。低価格競争はサイズメリットのないスタートアップ企業には成り立たない分野です。スタートアップ企業はクオリティや差別化のできるセグメントで勝負するのが向いています。マーケットリサーチでは、企業がこのセグメントでそのプロダクトが確実に顧客を納得させることができるのかを調査する必要があります。
企業がどのような広告媒体(TV,インターネット、新聞)を使用しているのか、また競合他社はどうなのか。客を獲得する際の宣伝文句やそれが経営陣のマーケティングの方向性とマッチしているのかなども確認する必要があります。
競合他社が価格競争で新規参入の企業を排除する動きになった場合は自身が投資しているスタートアップ企業は追従するのか、また売り上げへの影響はどうなるのかなどを考察する必要があります。
Series-A,B,C…
スタートアップ企業はEarly stageでのテストプロダクトを成功させて次は大量生産モードに入るためにさらなる規模拡大の資金調達が必要になります。この初めの段階はSeries-Aと呼ばれてベンチャーキャピタルなどが参入しだすタイミングです。
その後、Series-B, Series-C, Series-D…と資金調達が繰り返されますがこの各段階はラウンドと呼ばれます。この段階のどこかで会社の利益はプラスに転換します。スタートアップ企業はValuationで大きさが図られますが、この段階では企業のシェアを多く手に入れようとした場合はSeed Stageで投資した投資家と同じくらいのシェアを何倍も多く投資する必要があります。
Seriesの最終段階では企業はIPOのコストのための資金調達をして投資銀行などとIPOの手はずを整える準備に入ります。この最後のラウンドはBridge-financingなどと呼ばれ、IPOまでのつなぎの資金調達という認識になります。
ここまで来るとあとは座してIPOを待つという段階に来ますので成功はすぐ目の前ですね。場合によっては持ち株を増やして会社のシェアを維持するための追加投資なども考えてもいいかもしれません。
Stage毎に投資する必要があるか
最期に株の希薄化について少し考えてみたいと思います。初めに投資した額で買った株は各ラウンドを経るごとに資金が流入することで希薄化していきます。
Seed Stageで$1000投資をしてもその後のStageで会社が新株発行で資金調達すると持っている会社のシェアの比率が希薄化により下がります。それを防ぐためには初めのラウンドで投資して終わりではなくその後のラウンドでも引き続き投資をする事によって自分の持っている会社のシェアの比率が下がる事を軽減する事が出来ます。
ただ、Seed Stageで$1000投資していればIPOまでこぎ着けた段階で株価が上がりますので会社のシェアを心配しなくても多額の利益が確定しているのでそこまで心配する必要はないと思いますが、戦略としては数撃ちゃ当たるのショットガン戦略で一発投資して次のターゲットに行くか、しつこく同じ会社に撃ち続けて希薄化を防ぐ戦略で行くか個人の好み次第で判断する必要があるのではないでしょうか。
資金調達のステージとは
スタートアップ企業のビジネスの利益は一般的に知られるJ-カーブに従う場合が多いと言われています。皆さんもエクイティクラウドファンディングに投資する際はこの事実を頭の片隅に入れて投資を行う事が大事だと思います。J-カーブに伴う資金調達のパターンは各状況での段階を経て行う事が多く、この各段階はステージと呼ばれます。ここではJ-カーブについて軽く触れた後に、一般的に使用されている各ステージについて見ていきましょう。
J-カーブSeed StageEarly StageSeries-A,B,CStage毎のシェアの希薄化
J-Curveとは
J-カーブでは下の4つのステージがあります。この区切りは別に明確な線引きがされているわけではなく、その辺りで資金調達がされた場合はどこどこのStageでの資金調達という形で認識されるといった感じでしょうか。各Stageでは複数回の資金調達がされる場合があり、それぞれはラウンドと呼ばれます。
Source:Lionel Guerraz’ blog
Seed Stage
Seed stageは見た目通りValley of Deathと呼ばれるJの底部分に向かっていく所になります。売上がないので当然と言えば当然で利益の部分はマイナス方向に沈んでいく事になり、支出のみが続くStageです。投資は自己資金や家族友人からが中心になりますが、エンジェル投資家や、たまに物好きな勇者が参加するかもしれません。
Early Stage
Seed Stageを抜け出すと、少し売り上げが入りだしますので支出を部分的にカバーできるようになりますが、まだ支出が続いているところが多いでしょう。Early Stageの最初のラウンドでの資金調達はテスト的なプロダクトやサービスを狭いマーケットに提供したり、従業員を増やしたりするのに費やされます。そしてテストが成功して会社の将来性が見えてきた所でさらなるスケールアップのための資金調達が2回目のラウンドで行われ、もしかするとこの辺りから売り上げが支出をカバーしてブレークイーブンになるかもしれません。ベンチャーキャピタルが参入してくる頃で、我々クラウドファンディング投資家の出番です。
Series-A
Early Stageを抜けた会社はかなり強くなっているので将来性も確信できるので、最初のラウンドではビジネスのスケールアップを目的に資金調達がされます。Early Stageと同じような顔ぶれの投資家ですが、銀行なども融資をし出す頃ではないでしょうか。
Series-B 以降
この段階まで会社が成長すると、いくつかのラウンドでさらなる規模拡大が行われますが、最終ラウンドではIPOの審査に通る事を視野に会社の規模を大きくしたり審査のコストを準備したりという大詰めの段階になります。この辺りは担当投資銀行やIPOを扱う引き受け証券会社なども入ってくる頃ですね。
Seed Stage
Seedとは種という意味ですのでそのまま種植えの段階です。会社の創業者はアイデアのみはありますが、実際にマーケットでテストしたり、検証したり、法的な書類作成などは行っていません。自分の知人や友人から借りたり自己資金を使いながらさらに資金調達をしてビジネスをスタートさせる段階がSeed Stageと呼ばれます。その名の通り、このステージがなければ種が地面に埋まることはないのでビジネスとしてスタートする事はなく、頭の中のアイデアで終わります。この段階が一番リスクの高い状態で、90%のスタートアップはこの時点で失敗すると言われています。失敗する理由としては、資金調達がされると従業員も増えるのですが、創業者が自分のコントロールを失いたくないために権限を他のメンバーに移すのを渋り、チームとして円滑に事が運べないスタートアップは創業者が色々なことに精通しているべきですが、創業者にスキルがなかったり、エネルギッシュにそのスキルを習得することを避けたり、そもそもハードワークを避けたりなどの創業者のメンタルが原因のケースこのステージの投資家は創業者自身はもちろんですが、他の投資家はFFFと呼ばれています。FAMILY, FRIEND, FOOL(笑)です。ファミリーやフレンドはわかりますが最後のフールというのは部外者で投資しているバカという事ですね。それくらいリスクが高いという事が理解できます。この時点の投資家はビジネスよりも創業者を個人的に応援しているケースが多いと思います。創業者はスタートアップ経験が豊富なアクセラレーターやインキュベーターなどに助けられながら成長していく事になります。エクイティクラウドファンディングでこの段階で参入する事はまれだと思いますのでFOOLになれるチャンスは残念ながらあまりなさそうですね。(笑)
Early Stage
ようやくスタートアップ企業はSeed stageを乗り越えてやっとテストプロダクトなどを売り出せる状態になってきます。この段階ではSeed stageで調達した資金が底をついてくるので新たな資金調達が製品の量産やセールスの拡大の為に必要になってくる段階です。Seed stageを乗り越えて出したプロダクトは将来性のあるものと認識はされますが、Early stageではより大量に広範囲にプロダクトを広げていく必要があります。広範囲といっても今までのテストよりという意味で、地元の一部のエリアにサービスを提供するという範囲になります。この段階では利益が入ってくる段階ですので支出を収入が補いだす状態になり、J-カーブが上向きの方向に変わりだす変曲点の位置になります。このステージでは、規模の拡大に伴うリスクが考えられます。ビジネスのサイズアップは滞りなく行え、コストの上昇など期待外の損失の可能性はないか。お客さんの満足度は満たされるかやマーケットシェアは獲得できるのか下請け業者などが会社の規模のスケールアップについてこれるのかこの時点で投資する場合はビジネスの将来性やプロダクトの強さ、マーケット動向などを考えてDeal flowに参加するかどうかを決定する必要があります。私はこの段階が我々クラウドファンディング投資家のメインのターゲットになると思います。
Series-A,B,C…
スタートアップ企業はEarly stageでのテストプロダクトを成功させて次は大量生産モードに入るためにさらなる規模拡大の資金調達が必要になります。この初めの段階はSeries-Aと呼ばれてベンチャーキャピタルなどが参入しだすタイミングです。
その後、Series-B,