はじめにお読みください
まずはイントロダクションとして、ここ数年間のうちに起こった重要な環境の変化についてまとめたいと思います。下のタブを左から目を通していただければと思います。また、12か月間の投資額上限が収入や純資産によって決まっているのでその辺りも触れていきたいと思います。
イントロダクション
初めまして、Brinと申します。
私はアメリカでの未公開株投資に関してはまだ2020年に始めたばかりですが、これから将来的に伸びていく分野だと思っています。
既に投資をやられている方やエンジェル投資家の方、ベンチャーキャピタルのプロの方々には有意義な内容にならないと思いますが、私が今まで学んだ事やこれから学んでいく事をまとめると、もしかするとこれから始めようと思われている方の役に立てるのではないかと思い、サイトを作成しました。一般投資家でこれから始めたいという方々に主に読んでいただければと思います。
私は現在アメリカ在住ですので、アメリカ在住の方でしたらそのまま適応できる情報だと思いますが、日本や他海外から投資するとなるとまた別の制約や手続きが必要になると思います。今のところは私のアメリカからの投資経験をもとに投稿しますが、そのうち日本からの手続きなどもできる限り調べていきたいと思います。
未公開株投資は流動性が低く、ハイリスク、ハイリターンの投資になりますし、また私はプロの投資家ではありませんので、内容に関しては参考程度に読んでいただき、投資判断は自己責任でお願いいたします。
いつかは未公開株投資に既に投資されている方やこれから始めようと思っていらっしゃる方々と将来一緒に成功を分かち合うことができればこの上ない幸せです。
これからもよろしくお願いします。
Photo by Nick Fewings on Unsplash
今まではどうだったのか
皆さんは、エンジェル投資家やベンチャーキャピタルと聞いてどのようなイメージを持ちますか?なんとなくお金がいっぱいあって凄く儲けている人や集団で、ニュースでは見るけど我々一般人とはあまり関係が薄い人々と漠然と思いませんか?それはおそらく一般人にはスタートアップ企業に投資するというのは縁の遠い存在だったからではないでしょうか。
構造上はその通りでした。未公開株投資は長い間選ばれた投資家のみが参加する事ができるものでした。つまり、ベンチャーキャピタル(VC)や個人ではAcredited investorと呼ばれる適格投資家(いわゆるエンジェル投資家のニュアンスでしょうか)のような人たちのみが参加できるものでした。一般投資家は、たまたま創業者や役員と知り合いで当事者間取引で分けてもらう(普通はありませんよね)などを除けば、投資するチャンスはありませんでした。適格投資家というのは、2020年11月時点では、純資産が最低百万ドル以上で、かつ年収が20万ドル以上の投資家ですので日本では億り人に近いイメージでしょうか。これくらい持っている人であればハイリスクを取ることが可能と判断されたのが背景のようです。
皆さんも未公開株投資は当たれば儲けがすごいイメージがあると思いますが、残念ながら限られた投資家のみが利益をさらに増やし続け一般投資家は聞いた事があるけど指をくわえて見ているという場でありました。
実例で見てみますと、みなさんご存じのPeter Thielですが、Paypalで成功した一人ですね(Paypalマフィアと呼ばれる)。彼は2004年にFacebookに50万ドル投資しました。そして最終的に2012年にIPOで株価は38ドルになり、50万ドルは17億ドルになったと言われています。3400倍です。これはさすがに極端な例かもしれませんが、それくらい未公開株投資はハイリターンであるというのは理解いただけたと思います。
このような一般投資家には閉鎖的な状態が続いていたので、またあの人がすごいお金を儲けたとかニュースが流れるたびに、ああ、そうですか、よかったですね。という感じで外野から傍観する状態が続いていたのですが、とうとう転機が訪れました。
何が起こったのか
時代を変えたのはクラウドファンディングです。
みなさんクラウドファンディングという言葉は耳にしたり既にそういうプラットフォームを使われた経験があるかもしれません。これは不特定多数からインターネット経由で人や組織が掲げるテーマに賛同したりした場合に経済的に協力する場合に使われることが多くなりました。映画作成やアーティストへの協力や、社会活動などに使われています。
このクラウドファンディングを使って未上場の会社に投資をしようという動きが出るのはある意味自然な流れで、とうとう2016年5月16日に一般投資家の外野勢にとっての歴史的な転機が訪れます。
ウォール街の人々や先ほどの既得権益者にとってはもちろんあまり歓迎されることはありませんでしたが、ついに5月16日にSECのルール変更が有効になり、待ちに待った未公開株投資の門戸がとうとう開かれたのです。これはEquity Crowdfunding投資と呼ばれているもので、クラウドファンディングの形態でスタートアップ企業が資金調達ができるようになりました。クラウド=一般投資家、つまり束になった一般投資家が直接スタートアップ企業に投資する体制が整ったという事です。
これを機に、Equity Crowdfunding投資を仲介するプラットフォーム会社などが沢山生まれる流れになり、これはポータル会社と言われますが、我々一般投資家でもこのポータル会社を通して投資する事ができるようになりました。
もちろん収入や純資産によって年間の上限などが設定されていますが、(現時点での状況を最後のタブにまとめておきます)1年間に2200ドルまでは誰でも、会社員でも主婦の方でも、収入がなくても無条件で投資可能です。
最低投資額も会社やプラットフォーム会社によりますが100ドルや500ドルなど少額に設定されています。(後述しますが、あまり少額な投資はおすすめしません)また、株主優待のように会社によってはある額以上投資すると特典があったりします。
今はまだ一般投資家でもやっている方は少ないようですが、これからは誰もができるという事もあり、だんだん普及してくるのではないかと思っています。
これからどうなるのか
さて、開始のゴングは鳴りました。それではこの先盛り上がるのか、寂れるのか、どういった方向に動きそうかというのを私なりに考察してみました。
- ファイナンスの多様性
まさにエクイティクラウドファンディングが一般的になってくると、スタートアップ企業にとっては今まで頼っていた親類からの出資やエンジェル投資家からの出資だけではなく、資金調達手段としてのクラウドファンディングを使うことができるので幅が広がります。我々一般投資家からのお金を使用する事ができますのでファイナンスのハードルが低くなりますし、エンジェル投資家などに売り込む厳しいプレゼンなどとは違ったアプローチとしてそれを使用できます。
- SECの積極的な姿勢
後の投資額上限の項で詳しく述べていますが最近のSECの一般投資家の投資上限の緩和により、さらに多くの資金がこの世界に流れ込んでくることが見込まれます。これからも規制緩和の方向に動いていくのではないかと期待しています。
- 出口戦略の多様化
未公開株は基本的にはその会社が上場するまでは現金化するチャンスがないので忍耐強く上場を待つことになります。会社にもよりますが通常は6年から10年程かかりますのでかなりの長期投資となりますがその間に会社の状態がどうであれ手放すことはできませんでした。最近この分野でも変化が起こっています。未上場株の取引きがいくつかのプラットフォームで可能になっています。つまり、相対取引になりますが保有株を買いたい人がいれば売ることができるシステムが出来ています。もし、未公開株投資をしてみたが上場までの間に現金化の必要が出た場合はこの選択肢を取ることができます。
- SPAC上場の増加
去年くらいからよく耳にするSPAC(Special purpose company)ですが、プロフェッショナルによるグループが資金を集めて上場し、上場後に成長の可能性のある会社を探して未上場の会社を買い取るというシステムです。詳しくは後述しますが、スタートアップ企業にとっては煩雑な上場プロセスを飛ばして上場する事ができるので短時間で上場できるメリットがあります。2020年くらいからSPACによる上場が増えており、これからも増えてくる事が期待されますので、全体的に投資の現金化までの時間が短縮されますね。
- 現在ベンチャー企業家というか零細企業の人たち
これに関してはマスコミなどで語られている一般的に有名なユニコーンの伝説的な創業者への理解とは少し違うのですが、85%くらいの零細企業はX世代とベビーブーマーと呼ばれる39歳から73歳の間で運営されているようです。これはスタートアップと零細企業というニュアンスの違いがありますがこの企業群がクラウドファンディングで資金調達を始めだす事も考えられます。これにより投資家サイドとしては企業の選択肢が増えるという事になります。
- 個人がやりたい事をやる文化が来る可能性
これは正直陰謀論的な観点という世間的な理解があり、すぐには起こらなく、もしかするとこの先起こらないことかもしれませんが、色々噂されているNESARAが発動するとベーシックインカムが発生するので基本的には会社で今まで通り働くスタイルはよほど好きではない場合はやらなくなる人が増える可能性があります。仕事に行かなくてもある程度の生活が保障されている場合は人々は好きな事をやることになりますので、社会貢献や大きいことをやりたいという人がスタートアップ企業を起こす可能性があります。モチベーションという意味では問題がないので目標が達成されるまでは会社は成長していくと考えられます。上場まで行くかどうかは場合によりますが、上場前に現金化する事ができるので、投資としては成り立つと思われます。
以上の理由から、これからのベンチャー市場は環境的には悪くないどころか、私は少しこれからバブル的な盛り上がりを見せる可能性もあるのではないかとさえ思えてきます。今始めておくと、美味しい時が来た時に、あの時やっておけば。。などの後悔する事はなくなりますね。早く始めて5年か8年後に皆さんと一緒に成功までの道のりを振り返れれば最高ですね。
Equity Crowdfunding投資の上限額(2021年1月時点)
※2021年3月に上限額計算方法が変更され、上限額が増える方向で計算されるようになりました。詳しくはこの下の記事を参照ください。
Equity Crowdfunding投資では、人それぞれ純資産の量や年収により12か月間の間に投資できる上限が決められます。つまり、株のように信用取引やお金を借りて投資するという事はできませんし、この会社が気に入ったから全財産をつぎ込む!などができません。帰ってこないかもしれない投資になるので、その計算は控えめで、大体年収か純資産の5-10%になります。
純資産(Net worth)の計算
純資産の計算で一番大事な部分は持ち家の価値は足し算されないところでしょうか。、家のローン残高も引き算されませんが、ローンが家の適正価格よりも多く残っている場合は(Underwaterの場合)その分が引き算されます。つまり家を買う時に有り金すべて頭金にしてしまったりした場合はその分は純資産になりませんので注意が必要です。持ち家は流動性が低く、住んでいるので直ぐに売ることができないという事で資産と見なされないという事でしょうか。
401kやその他の流動性のある資産、車の価値などは純資産として足し算されます。その他のローンや借金は引き算されます。
例を見ていきましょう。下のテーブルはSECのサイトから引用したものですが、下の全員が持ち家を持っているケースです。Janeの場合は持ち家の価値が残っているローンより$100,000程高い(含み益)ので買い物上手なのですがこれが純資産として組み込めないのが痛いです。Johnの場合は含み益の一部を担保にしてHome equity lineでちゃっかりお金を借りているのですが、60日以内の新しいものだけ負債として計上されているようです。Jamesは家を高値掴みしたのか、家の価値がローンを下回っており、その分が負債として計上されています。その他の項目は資産か負債かというのは直感的に判断できますね。
Primary residence(not included except for related liabilities below): | |||
Jane Doe | John Smith | James Lee | |
Home value | $ 300,000 | $ 300,000 | $ 300,000 |
Mortgage | 200,000 | 200,000 | 330,000 |
Home equity line: | |||
more than 60 days old | – | 20,000 | – |
less than 60 days old | – | 10,000 | – |
Included assets: | |||
Bank accounts | $ 20,000 | $ 20,000 | $ 20,000 |
401(k)/IRA accounts | 100,000 | 100,000 | 100,000 |
Other investments | 50,000 | 50,000 | 50,000 |
Car | 20,000 | 20,000 | 20,000 |
Total included assets | $ 190,000 | $190,000 | $190,000 |
Included liabilities: | |||
Student and car loans | $ 100,000 | $ 100,000 | $ 100,000 |
Other liabilities | 20,000 | 20,000 | 20,000 |
Portion of mortgage underwater | – | – | 30,000 |
Home equity line (less than 60 days old) | – | 10,000 | – |
Total included liabilities | $ 120,000 | $ 130,000 | $ 150,000 |
Net worth | $ 70,000 | $ 60,000 | $ 40,000 |
具体的な上限額の計算と例
それではNet worthの計算方法が分かったところで具体的に上限額を見ていきましょう。
まず、年間2200ドルまでは誰でも収入や資産に関係なく投資する事ができ、これが下限になります。
年収か純資産のどちらかが10万7千ドル以下の場合はそのどちらか少ない方の5%が年間の上限です。2200ドルの方が計算結果より大きければ2200ドルです。
年収も純資産も10万7千ドル以上の場合はその少ない方の10%が上限です。
年収が20万ドル以上でかつ純資産が百万ドル以上の状態が過去二年にわたって維持された場合はあなたは既に適格投資家ですのでRegulationCFには少ない方の10%が上限で、RegulationDの枠でも投資可能です。
Annual Income | Net Worth | Calculation | 12-month Limit |
$30,000 | $105,000 | greater of $2,200 or 5% of $30,000 ($1,500) | $2,200 |
$150,000 | $80,000 | greater of $2,200 or 5% of $80,000 ($4,000) | $4,000 |
$150,000 | $107,000 | 10% of $107,000 ($10,000) | $10,700 |
$200,000 | $900,000 | 10% of $200,000 ($20,000) | $20,000 |
$1.2 million | $2 million | 10% of $1.2 million ($120,000), subject to cap | $107,000 |
上限額の変更 (3/17/2021現在)
上限額が最近変更されました(3/15/2021)。上記部分を訂正する形で変更された部分を青字にしています。
まず、年間2200ドルまでは誰でも収入や資産に関係なく投資する事ができ、これが下限になります。
年収か純資産のどちらかが10万7千ドル以下の場合はそのどちらか少ない方多い方の5%が年間の上限です。2200ドルの方が計算結果より大きければ2200ドルです。
年収も純資産も10万7千ドル以上の場合はその少ない方多い方の10%が上限です。
年収が20万ドル以上かつもしくは純資産が百万ドル以上の状態が過去二年にわたって維持された場合はあなたは既に適格投資家ですのでRegulationCFには少ない方の10%が上限上限は撤廃されて無制限で、RegulationDの枠でも投資可能です。
※下のテーブルの変更は現状の私の理解で行ったものでSECからの正式なものではありません。これであなたの投資上限も上がった事だと思います。この変更で上限が上がりそうな方は、定年で年収は少ないが資産をたくさん持っている人たちや、持ち家に住んで手元資金は家の頭金に入れたのであまり残っていないが年収が高い人などがすごく上がりそうですね。さらなる資金流入が期待できます。
Annual Income | Net Worth | Calculation | 12-month Limit |
$30,000 | $105,000 | greater of $2,200 or 5% of | |
$150,000 | $80,000 | greater of $2,200 or 5% of $ | |
$150,000 | $107,000 | 10% of | |
$200,000 | $900,000 | $20,000 RegCF unlimited | |
$1.2 million | $2 million | 10% of $1.2 million ($120,000), subject to cap | $107,000 RegCF unlimited |
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